夜泣き地蔵

五料の丸山坂の南側に石の地蔵尊が立っています。むかし、この坂を、荷を付けた馬をひいた馬子が通りかかったとき、何気なく地蔵の頭を荷物に加え、いつしか武州深谷の里まで運んでいってしまいました。深谷の里に捨てられた地蔵の頭は、それからというもの、毎晩「五料恋し」と悲しい泣き声をたてました。これが町の人々の耳にも入り、ある奇特な老人が気の毒に思ってこの頭を五料まで送り返し元のように頭を胴の上にのせてやりました。それ以来この地蔵尊を「夜泣き地蔵尊」と呼ぶようになりました。                                                                                                                  


「松井田町史」より

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