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平成25年度の2学期が今日で終了します。
8月27日から始まった2学期ですが、
ひたすら暑かったのを覚えています。
それから、5ヶ月に及ぶ季節が過ぎて、
今では、気温が下がって、
氷が張る季節を迎えています。
振り返ってみると、2学期は、
大きな行事がぎっしりと詰まった、
非常に密度の濃い時間が流れていたと思います。
1年生は2泊3日の、榛名高原学校に出発。
カッターを漕いで仲間との友情を確かめ合いました。
キャンプファイヤーでも、
フォークダンスをして、大いに盛り上がっていました。
2年生は、キャリアスタートウィークで、
52の職場に分かれて、社会人体験。
働くことの大変さを学びつつ、
仕事をやり終えた達成感を感じたことと思います。
その貴重な体験を、
自分自身の中にどう生かしていけばいいのか。
この体験が、
将来の職業選択に繋がればいいなと願っています。
9月中旬からは、中体連の新人大会が始まり、
2年生を中心としたチームが大いに健闘しました。
県大会に出たチームもありましたが、
安中市の大会で敗戦して上へ行けず、
悔しさを感じた生徒も少なくないと思います。
私が問いたいのは、その悔しさが、
今も続いているかどうかです。
冬場の練習時間は短いですが、
やりようによっては大きな力になります。
ただ漫然と練習している人がいたら、
もう一度、敗戦したときの気持ち、
負けて流した悔し涙を思い出してみることです。
10月に入ると、本校の最大行事である、
扇祭が華やかに開催されました。
今年のテーマは、
「闘志を抱き突き進め 夢と希望を君の手に」
でありました。
そして、そのテーマの根底に流れているのは、
私が大好きな言葉でもある、
安中一中の3C精神の中の、
チャレンジ「挑戦」であります。
開会の挨拶でも申し上げましたが、
皆さんの未来への可能性は
果てしなく広がっている。
どの生徒にも夢を実現する可能性はある。
ただ、可能性というのは、
実現するかもしれないという、あくまで見込み。
テストで100点を取りたい、
通知表の成績をぐっと上げたい、
中体連で優勝したい、目指す高校に入学したい、
プロの野球選手、サッカー選手になりたいと、
それぞれが自分の夢を真剣に語ります。
ここにいるすべての生徒の心の中には、
実現したいことがたくさんあるでしょう?
実際、3年前にこの場所に座って、
全校集会で校長先生の話を
聞いていた生徒の一人が、
育英高校の野球部に入部して練習に励み、
甲子園に出場して、何と全国制覇を成し遂げ、
輝く金のメダルを自分の手にすることができました。

3年前は、おそらくだれもが
夢が現実になるとは、
想像していなかったことでしょう。
私は素晴らしい瞬間に立ち会えたことを
心から感謝したものです。
しかし、可能性はあくまで可能性、見込みであり、
それを掴もうと努力しなければ、
結局はみんなあぶくとなって消えていくものです。
今回の扇祭では、ダンスを踊ったり、
ダブルダッチを披露してくれた生徒がいて、
本当に生き生きと活動してくれたけれど、
そういうふうに目標を定めて
何かに取り組み努力すること、
そして、その中から、
自分自身の違った面を見つけ出して、
それを、糸口として、自分を変えていくこと、
このようなプロセスが、
まさに、挑戦の意味です。
本当にそれを手に入れたければ、
捕まえにいかなければならない。
3年生で言うなら、
目指す高校に入りたいと思っているならば、
その高校で、さらに新しいことに
挑戦したいと願っているならば、
心を傾けて努力を続け、
自分の手で、可能性を現実に変えていく気概、
意気込みを持たなければならない。
まさに、チャレンジ、挑戦であり、
本校の大事な精神のひとつです。
改めて、今回の扇祭に流れていた精神を
見つめ直してみたいと思っています。
11月から12月にかけては、
全校で脚力を競った一中とおあし、
そして、心を高めていくマインドアップ月間。
身体を鍛え、心を鍛え、
それぞれの生徒たちは、立派な大人になるための
練習や修行を続けています。
その練習の成果が出てきたと思うことのひとつに、
4月よりも、挨拶の声が格段に大きくなってきています。
これは嬉しいことです。
朝、街頭指導をしていて、
向こうから挨拶をしてくれる生徒が確実に増えたし、
背中側からも声をかけてくれる。
街中でも、出会う人に、
「こんにちは」の声をかけている生徒がいるようで、
一中生はよく挨拶をしてくれますという声が
届くようになってきました。
私は、みんながよくなっていこうと努力する姿勢を
本当に嬉しく思っています。
☆
最後に、3年生の面接の話を再びさせてもらいます。
私は、生徒に、心の中にあって、
自分を勇気付ける大切な言葉、
元気にさせてくれる言葉は何ですか、
そういう質問をすることにしています。
そうすると、いろいろと話してくれます。
努力の上に花が咲く
努力の壷 (みんなは心の中に努力の壷を持っている、
努力がだんだんと満ちて壷が一杯になったとき夢が叶う
だから、今は壷に努力をせっせとためているところ)
七転び八起き 挑戦すること 諦めないこと
ありがとうの言葉 いつでも笑顔
そして、それにまつわるエピソードを聞かせてもらうと、
部活動でうまくなりたい一心で、
6時半に朝練習に来て頑張った生徒や
(早く来過ぎてしかられたそうだけれど‥)
家に帰っても庭で素振りをしたり、
特訓を続けた生徒。
クラスを明るくするために、
できるだけ笑顔でいたいと話す生徒。
3年生の、心の中で大事にしている言葉に触れるたびに、
1年生も2年生も、
この一中で切磋琢磨しながら、
やがて、このような先輩に近づいていると思うと、
そう信じると、
心の中に大きな希望が湧いてきます。
私にとっての2学期を振り返ると、
チャレンジという言葉を常に意識しつつ、
一中の生徒たちの頑張りに、
触れた大事な時間だったと振り返っています。
☆
さて、冬休みに入ります。
クリスマスがあり、お正月が来て、お年玉をもらって、
テレビでは賑やかなお正月番組のオンパレード。
箱根駅伝も目が話せないね。
でも、そんなことに浮かれていると、
夜更かし、朝寝坊の繰り返し。
大事な時間は、アッという間に、過ぎ去っていく。
こういう時にこそ、自分を見失わないための、
自分を励まし元気づける言葉が必要になる。
ちなみに私は、
相変わらず「挑戦」という言葉を大事にして、
今目指していることを、努力していくつもりです。
挑戦に年齢は関係ない、
挑戦し続ける限り、そこには成長があるはずです。
それでは、それぞれの生徒たちが、
健康と安全にくれぐれも注意して、
有意義な17日間の冬休みを
明るく元気に過ごせることを祈っています。
二日に、golfの打ち初めに出かけたときのことです。
私は左利きなので、端のほうで遠慮しつつ練習していました。
打席の中ほどで何となく騒ぎになっていて、駆けつけてみると
年配の男性が、椅子にぐったりとしていて、意識を失っている様子、
すぐに救急車の手配をして、床に寝かせて
私は、心臓マッサージを始めました。
訓練ではなく、これは現実、初めての経験です。
ぐわっと息が出て、無呼吸の症状から呼吸が戻ったのかと、
一瞬安心したけれど、自発呼吸が戻らない。
夢中で胸を押し続けていたら、ようやくレスキューが到着。
AEDが準備されてすぐさま電気ショック。合計3回。
はらはらしながらそばで見守っていました。
しかし、男性の顔は次第に生気を無くし土気色になってきて、
救急車に乗せるまでお手伝いをしたけれど、
その様子からは、お気の毒だけれど、回復は難しそうでした。
朝、家を出て、家族に感謝の言葉伝えることなく、
自分でも何がなんだかわからないまま、
そのまま、この世から去っていく無念さを、直に感じました。
その後、現場検証にも立ち会うことになり、
心臓マッサージをもっとしっかり行っていたら‥
そんな、後悔の念もよぎった年始の辛い経験でした。
自分の命、家族の命、仲間の命、生徒たちの命、
それを、慈しむような気持ちで毎日を過ごしたい、
そんなふうに今強く心の中で念じています。
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