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おはようございます。
平成25年度を無事に迎えることができました。
新2・3年生の生徒の皆さん、進級おめでとう。
私が3月までいた松井田南中学校は、
全校生徒が180名くらいの小さな学校でした。
本校のひと学年くらいの規模です。
1年生が加わると、600名の生徒が一つ屋根で生活する第一中学校。
このすごいエネルギーをとても新鮮に感じつつ、
新しく出来たこの体育館で、
平成25年度の始業式を無事迎えることが出来て、
嬉しい気持ちでいっぱいです。
ここにいる新2,3年生 合計 392名の皆さんは
新しい年度を迎えて、どんな気持ちでいることでしょうか。
誰も心の中を覗き見ることはできませんが、
希望を抱きつつも、案外、
不安を感じている人が多いのかもしれません。
この中には、大好きだった先生がいなくなって
悲しんでいる生徒がいるかもしれないし、
この後、新しい学級編成が伝えられますが、
最高の友だちと、
別々のクラスになってしまうことが起こるかもしれません。
私自身も、4月から新しい環境に入ることが決まって、
夜中に目を覚ましてしまうことが何度もありました。
自分では意識していないようでも、潜在的な不安の気持ちが膨らんで、
精神をうまくコントロールすることができないのです。
でも、きっと、大丈夫です。
ハワイに、こんなことわざがあります。
no rain、 no rainbow
日本語に訳してみれば、
no rain 雨が降らなければ、no rainbow 虹は出ない
当たり前のことですが、
雨という試練があってこそ、美しい虹を見ることができるのです。
「これから良いことがきっと起きるよ、そのための雨なんだ。」
そんな意味が含まれています。
つらい思いをしたり、涙を流したりすることはあっても、
その後には、きれいな虹が出る。
努力をしたら、きっといい結果が出るから、
そう自分を励ます言葉でもあります。
今日から、私は、第一中学校の仲間の輪に入れてもらい、
生徒のみなさんがいろんなところで努力している場に立ち会って、
たくさんの元気や感動を分かち合えることを
とても楽しみにしています。
☆
さて、今日は1年のスタートとなるとても大事な日です。
これからの心構えについて、
私なりの思いを皆さんにお伝えしたいと思います。
私は、前任の竹内徹校長先生から
この学校には、 「安中一中の精神」 という、
とても大事な合言葉があると
お聞きしていました。
とりわけ、3C精神という、英語の頭文字がCで始まる3つの言葉。
これは、今から18年前に作られたそうですが、
creation 創造 courage 勇気 challenge 挑戦 の3Cです。
一中生たちの心にいつもあって、
それぞれの指針となった大事な合言葉だと
私は思っています。
竹内校長先生から教わり、
今日この日を迎えるに当たって、何度もつぶやいてみましたが、
これから始まる平成25年度にぴったりではないかと、
思わず、手を打ってしましました。
最初の言葉は、 creation 創造。
「創造」の意味は、 新しいものを作り出すことです。
皆さんは、今まで説明を受けているかもしれませんが、
今年から来年、再来年にかけて、
第一中学校の校舎が大規模に改築されます。
40年間使われてきて、たくさんの生徒たちがこの校舎で学び、
立派に巣立っていった歴史のある校舎ですが、
老朽化も進んできて、
大きな地震に耐えられないことも分かり、
2年間をかけて、新しく、生まれ変わるということになります。
まさに、creation 創造の時代が始まります。
校庭に仮設の校舎が建ちます。
校舎内の引っ越しも大変です。
校舎建替えによる不自由さをみなさんに強いることになります。
野球部やサッカー部、ソフトボール部が十分に練習する場所が
確保できないことになります。
そんな時こそ、さきほどの、
creation 創造の言葉を思い出したいと思います。
普通に毎日が過ぎているときには、
人間はそれに慣れっこになってしまい、
工夫ということを忘れてしまします。
しかし、大変なことが起こると、何が必要かを一生懸命に考えて、
真剣に行動するようになります。
それが、新しいものを創造する creation の意味(背景)です。
第一中学校が、3C精神 creation を本当の意味で、
発揮する時代がやってきたと私は実感しています。
この creation 創造 は、個人の生活の中に生かしても
いいのではと思っています。
学習の仕方や部活動での練習の方法を、
自分なりに工夫してみること。
読書を通して、世の中のさまざまな知恵と出会うこと。
今取り組んでいる、趣味の世界を深めること。
それらは、すべて creation 創造 につながります。
ボランティアのような社会貢献活動をしている人が
この中にはいるかもしれない。
新しい人と人との出会いは、
それはとても、クリエイティブな出来事です。
私も、この4月から、creation 創造 というキーワードをもとに、
自分の生活を見直し、
より発展させていこうと肝に銘じているところです。
みんなで、心をひとつにして、頑張っていきましょう。
☆
最後に一言付け加えます。
私が、かつて 「打倒一中」 を叫んでいたように、
部活動においても、皆さんは、
他校の挑戦を、正面から受けて立たなければなりません。
苦しい練習を耐え抜く、覚悟はできているでしょうか。
ひたすら、優勝旗やコンクールの金賞を夢見て
頑張る時期があってもいいと私は思います。
若い力を、完全燃焼させていきましょう。
たくさんの思いを込めて、始業式の話といたします。
広い体育館で目を合わせることなく、
不特定の生徒たちに語りかけてみても、果たして、
私の発する言葉は誰かの中に留まってくれるだろか。
緊張した時間が終わり、ふうっと息を吐きました。
それからしばらく後の出来事です。
ある女生徒が no rain, no rainbow の言葉を通学かばんに入れて
大事にしているようですよと、小島先生からお聞きしました。
そして、その 手作りの紙 を見せてもらい、
その言葉がとても気に入りましたと本人から聞かせてもらって、
ちゃんと言葉は届いてたんだと、しみじみとした喜びを感じました。
いつか、この場でお伝えしたいと思っていました。
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