PTA広報 & 生徒会誌原稿  (H27・3・30)
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 新たな第一中学校の創造
                          (PTA広報「扇」66号)

 安中市立第一中学校は、昭和49年1月1日、安中・東横野・碓東・秋間教場がひとつとなり、全校生徒956名を有する大規模中学校として実質統合を果たしました。以来41年、この学び舎で多感な青春時代を過ごし、多くの卒業生が巣立っていきました。

 永年保存の卒業生名簿には、昨年度までに、13215名の生徒たちの名前が記されています。本校で学び、やがて父となり母となって、親子二代に渡り第一中学校の伝統を支えてくださっている方々も少なくありません。一中の歴史の重みを感じる瞬間です。

 そして、平成26年度は、輝き続ける本校の歴史において、末永く記憶に残る年になろうとしています。「れいめいの九十九の流れ 秀麗の山影写し‥」で始まる本校校歌の「れいめい(黎明)」とは、明け方という意味ですが、転じて、新しいことが間もなく始まろうとする時期、文明や文化の夜明けの時期という意味でも使われる用語です。真新しい体育館がすでに完成し、四十年余も生徒や地域に慣れ親しんできた旧校舎が耐震補強工事とともに内装・施設が一新され、まさに、新たなる第一中学校として生まれ変わる節目の年なのです。

 私は始業式において、本校の3C精神をもとに、

  Courage and Challenge lead to Creation
   『勇気と挑戦の精神で、新たな第一中学校を創造しよう!』

と、全校に呼びかけました。

 めいめいの生徒には、勇気を出して、自身の目標に向かって挑戦を続けることによって、新たな自分を生み出していくことを強く希望しました。とりわけ、三年生にとっては、夢の実現に向けて将来につながる進路を切り拓くという、大事な意味も含まれています。

 頑張って自分を変えていこうと思っている生徒はすでに、心の中にCourage勇気が湧いてきているはずです。そして、Challenge挑戦する気持ちを持つことで、どんどん変わっていく自分を自覚することでしょう。勇気と挑戦の精神を持って力を尽くした生徒の未来にあるものは、Creationすなわち、新しい自分の創造です。努力を続けて、高い山の頂にたどり着いて、ほっと一息ついた時、よく頑張ったなあという満足感や達成感、成就感とともに、自分自身の成長の足跡を実感してほしいのです。

 平成26年度の1学期が間もなく終わろうとしていますが、各自、目標にどれほど近づいたでしょうか。時には、自分の行動を振り返り、来年3月までの行程(道のり)を新たにイメージすることは必要かもしれません。一日一日は小さな営みですが、それが積み上がったときに初めて、Creation新しい自分を創造することにつながっていくことを忘れずに。




  「一芸」は身を助ける

                          (生徒会誌希望第41号)

 卒業期を前にして「希望41号」を発行する運びとなり、私からの最後のメッセージは、「一芸」をもつことがほんの少しばかり人生を豊かにしてくれる、そんな体験をお話したい。

 私が中学生の昭和40年代、タイガースを筆頭にGS(グループサウンズ)が全盛期を迎えていた。髪を伸ばした若者がエレキギターを抱えてかっこよく歌っている。大いに刺激を受けてギターを始めたのが中学2年生。大阪心斎橋で3600円のクラシックギターを買ってきた。夜な夜な下手なギターをかき鳴らすので、家族はさぞ迷惑だったことだろう。よほど性に合ったのか、それ以来私の傍らにはいつもギターがある。お付き合いして40年以上の歳月が流れた。ギターに合わせて仲間と「かぐや姫」を歌い、S&Gをコピーし、「井上陽水」を絶唱した。教職に就いてからは、キャンプの火を囲んで子どもたちと一緒に歌った。全校合唱の伴奏をさせてもらったときなどは、感動のあまり全身鳥肌が立った。昨年度の3年生を送る会での職員合唱「卒業写真」は、心の中に素晴らしい余韻として残っている。音楽を通していろんな人と繋がることができたのは、まさにギターのおかげだ。

 学生時代は野球に熱中した。軟式野球を経て高校では硬式野球部に入部。強豪校ではなかったが、大阪春の大会ベスト16まで進出したのが一番の思い出だ。硬式ボールをバットに当てたとき伝わる手の感触はまさに感動ものだ。文武両道は無理だととうに諦め、授業中はたいてい居眠りばかり。腹が減ると早弁(時には授業中、先生に見つからないように教科書を立ててその陰でこっそり食べた)。そんなことだから、成績はクラスで最下位付近をうろうろした。しかし、グランドに出ると元気が出た。大学でも硬式野球を続け、たくさんの素晴らしい仲間たちと出会い、関東甲信越を大会行脚した。28歳になる年に安中二中に着任早々、思いがけず野球部顧問から声がかかったのだ。それからの8年間、野球部の仲間たちとの日々はまさに青春ドラマのようだった。勝てる試合だったのに、監督の采配ミスで優勝を逃したときは選手に本当に申し訳なかった。職員室でがっくり肩を落としている私にキャプテンが、「先生、グランドに来てください」。部員は泣きながら、そんなだめ監督を胴上げしてくれた。戦いに敗れて胴上げしてもらったのはあれっきり。彼らとの思い出は、今では一生の宝物だ。

 東横野小学校に赴任して次に出会ったのが「菊づくり」。野球から園芸へと方向転換も甚だしい。わりと凝り性の自分は新たな挑戦だと受けとめ、1年かけて菊づくりのやり方を地域の師匠から一通り学んだ。肥料の作り方から差し芽の仕方、小鉢上げから定植や輪台付け。必要なことをすべてメモして次の年に生かそうとした。多い時には300鉢が校庭に並んだ。壮観だった。秋には見事な大輪が咲き誇り、体育館を会場にして全校で菊見の会を行った。一中在任の2年間、こっそり菊を育ててみようと思った。毎日があまりに忙しくて、菊の鉢なんかあったのと言われてしまいそうだが、秋の一時期、色とりどりの大輪を愛でていただけたなら、それはとても嬉しいことだ。






 40歳を迎える頃。地域の仲間と蕎麦を栽培して、蕎麦打ちでもしてみないかという話になった。種を蒔き何度か土寄せをし、収穫は鎌で手刈り。農家の倉庫の奥に眠っていた昔ながらの足踏み脱穀機の埃を払い、落ちた蕎麦の実を「唐箕」でていねいに選別して天日に干す。苦労して収穫した蕎麦の実は、一粒一粒がさらさらと輝いて見えた。美味しい蕎麦を打つには「こね3年」などと言う。上達の遅い自分であったけれど、見よう見まねで、20年の歳月が経過し、最近ようやく、手打ち蕎麦の風味が出てきたところだ。PTA親子行事などで講師に呼ばれ、安中鷺宮産の蕎麦粉で手打ち蕎麦を味わっていただいたが、まさか自分が蕎麦屋の親父をやっているなんて‥。

 振り返ってみれば、世の中、後々何が役に立つのかわからない。今自分を引き立ててくれているのは、ご覧のとおりの雑学・うんちくばかりだ。その「一芸」が人生を豊かにしてくれている。一中の若き勇士たち。自分の好きなことが見つかったらたゆまず続けてごらん。それはきっと「一生もの」となり、いつも自分の傍にいて自分を励ましたり、楽しませたり、時には人のお役に立てるような心のこもった「一芸」になると思うのだ。




 35年分の感謝の気持ち
                       (PTA広報「扇」66号)


 まもなく35年の教員生活が終わろうとしています。級友や恩師など頼れる人が誰もいない、群馬という初めての地でスタートさせた教員生活でした。初任校、高崎中居小での新任式の第一声は、「皆さん、おはようさん!」大笑いされたことを今でも覚えています。

 安中二中では野球部の顧問となり、手にマメができ血が滲むほどノックをしたのが自慢です。その時代の生徒たちが立派に成長し、本校にも子どもを入学させてくれています。まさに私には孫のような可愛い存在です。

 東横野小での一番の思い出は「菊作り」。1学期が終わる頃には、大鉢に移し替えて立派に育った三本立てが校庭に並びます。夏休みにも毎日学校へ通っての水やりや、台風到来に備えて、重い鉢を校舎内に運び込むなどの苦労の甲斐あって、秋には、300鉢近い色とりどりの大輪の花が咲き誇りました。

 学校を離れて、7年間の教育行政も経験しました。たくさんの失敗をして、教育も接客業と同様、相手に対して心を込めて対応することの大切さを厳しく教え込まれるなど、貴重な経験をすることができました。

 再び安中二中に赴任して混乱した時代を経験し、生徒や保護者と信頼関係を築くことの大切さを、身をもって体験しました。そのことは私の宝物となり、管理職を全うするための一番大事な信条となっています。

 坂本小、細野小、松井田南中を経て、終の棲家となる安中第一中学校に着任。この10年は、学校の様子をお知らせする学校webページの開設と日々の更新に向けて、地道な取り組みを続けてきました。掲載するために写した写真は、どれほどの枚数になるのか想像がつかないほどです。いろんな行事に際して撮影した一番いい出来の写真を、ホームページの表紙の写真に使います。自分なりの構図を考えて配置するのが楽しみでした。

 歴任した4校での写真を改めて振り返ってみると、その写真を通して、その時の雰囲気や児童生徒の熱気、その場における空気感までもが瞬時に蘇ってくるのです。第一中学校は大規模校なので、多数の生徒たちのパフォーマンスが素晴らしいです。印象深いのは中体連壮行会での大円陣や、サッカー部のロスタイムゴール、野球部のサヨナラ勝ちの場面で選手たちの喜びが爆発した躍動感など、神様がシャッターを押させてくれたのだなあと思う場面もたくさんありました。

 今振り返ると、デジカメのファインダーを通して、子どもたちと気持ちを合わせてこられたことに気づきます。そしてそれは、私にとっては実に幸せな時間でもありました。

 間もなくそういう作業から解放されることに少々寂しさも感じますが、もう十分に果たしたから、次の世代に託していこうという気持ちも大きいです。そんな私の心に湧いてくるのは、ただただ感謝の言葉。皆さまには、35年分の感謝の気持ちを込めて、今まで本当にありがとうございました。






平成26年度修了式式辞  (H27・3・26)
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九十九川のほとりに、
水仙の花が美しく咲き誇り、
春がすぐそこまでやってきています。
本日、ここに、安中市立第一中学校、
平成26年度の修了式を無事に迎えることができました。



修了式は、一年間の学校生活の区切であり、
学年ごとの「卒業式」でもあります。
1年生たち、1年生卒業おめでとう。
2年生の皆さん、2年生の卒業おめでとう。
ただ今、代表の生徒に、修了証をお渡ししましたが、
その修了証は、この1年間の、
すべての課程を終了した大事な証であります。
ここにいる、すべての生徒たちの進級を
心から祝福いたします。



3月13日に盛大に挙行された「第44回卒業式」は、
先輩をお送りしようという在校生の
温かい心のこもった祝福によって、
とても立派な卒業式となりました。

来賓の皆様方始め、卒業生の保護者の方からも、
「在校生のしっかりした態度、そして、
全校合唱の歌声がとても素晴らしかったです。
第一中学校としての一体感を感じました」との、
お褒めの言葉をいただきました。

3年生の頑張りを見て、
素晴らしい後輩が育ってきていることを
私は卒業式を通して、実感した次第です。
これが第一中学校の伝統だということを
身体全体で感じることができました。

さて、私は今年1年を通じて、
本校の3C精神をもとにして、

     Courage  and  Challenge
    lead to Creation


  勇気と挑戦の精神で、
   新たな第一中学校を創造しよう!


この言葉を、繰り返し、繰り返し、話してきました。

40年以上、使い続けてきた校舎が新しくなりました。
装いを新たにして、
新生第一中学校が始まる予感があります。
その中心を担うのは新3年生であり、
3年生を支えていくのは新2年生の役割です。

昨日の学年集会において、それぞれの学年へ
エールを贈らせてもらったので、
修了式においては、卒業式の式辞で話した
「勇気」を持つということについて、
もう一歩、踏み込んだ話を
皆さんにお伝えしたいと思います。

              ☆

卒業生たちには、はなむけの言葉として、
私は、勇気を出して、一歩前に進もうと話しました。
湧き出る勇気が出発点となって、
それが、新たな自分あるいは、
新たな一中の創造に繋がっていきます。
卒業生たちは新しい環境で、新しい生活を始めますが、
在校生たちも、新しい学年を、
勇気という言葉とともに
迎えてほしいと願っています。

その勇気という言葉に関して、サッカーにおける
一つのエピソードをこれからお話したいと思います。

              ☆

かつて、ロベルト・バッジョという
イタリア出身のサッカーの名選手がいました。
世界年間最優秀選手にも選ばれています。

そんな世界的に有名な選手に悲劇が訪れたのが、
ワールドカップ・アメリカ大会の決勝戦です。
バッジョ選手のイタリアチームは、
ブラジルとの戦いで時間切れドロー、
ワールドカップ史上、初めてのPK戦になったのです。

皆さんも知っている通り、
PK戦とは、試合の決着がつかなかったときに、
チームから5人の選手を出して、
交代交代に、ゴールにボールを蹴り込んで、
ゴールした数で勝利を争う、最後の勝敗のつけ方です。

さて、PK戦が始まり、
最後にバッジョが蹴ったボールは、
ゴール左上に高々と上がってしまい、
ゴール枠を捕らえることができずに、
イタリアが決勝で敗れるという結果になってしまいました。

腰に手を当てて、うな垂れるバッジョ。
しばらく動こうともしない‥。
サッカーをしている人なら
その無念さがよくわかるでしょう。
イタリア国民は、失敗したバッジョに
ものすごいブーイングをしたのです。
イタリアの英雄なのに。

その4年後のフランス大会でも、悲劇がまた襲います。
イタリアチームは、同様のPK戦で敗れるのです。
その敗戦のとき、バッジョは、
PKを外した選手にこんな言葉を
かけるのです。

   「PKを外すことができるのは、
    PKを蹴る勇気を持った者だけだ」


       Only those who have the courage
        to take a penalty miss them.

バッジョのこの言葉の意味がわかりますか?

私なりの言葉でその意味をつたえてみると、
PKを外してしまったことは、
君にとっては本当に悲劇だけれど、
君は、勇気を出して、PKを蹴ったじゃないか、
君の勇気こそ、称えられるものだ。

だから、「PKを外すことができるのは、
PKを蹴る勇気を持った者だけなのだ」 と。

蹴る勇気なんかない奴に、
つべこべ言う資格なんてない、
私には、そんなふうに伝わってきます。

この言葉からたくさんのことを学ぶことができます。

誰だって失敗することがある、
人から批判されることもああります。
でも、敢えてそれに挑戦することは、
実は、ものすごく勇気のいることで、
その勇気こそ、称えられるものじゃあないか。
そんな深い想い意味が含まれていると、
私は感じます。

失敗を恐れない。失敗する人こそ、
勇気を持っている証拠であり、その証。
何もしない人は、失敗もしないけれど、
成功することもなく、
ただ、平凡な時間を過ごしていくだけかもしれません。

勇気を出して何かアクションを起こすことによって、
うまくいけば、最高の感激を味わうこともできるけれど、
一方で、失敗と言う苦い経験をすることもあります。

しかし、ものは考えようで、
失敗したときほど、あるいは、
何かの勝負に負けたときほど、
後々、味わい深い感情、うまくいえないけれど、
悔しさとか後悔だけではなくて、反省の心が芽生えて
次頑張ってみよう、今度こそ成功させようという
新たな勇気が湧いてくるような気がします。

失敗を恐れないように、(特に若いうちは)
失敗できるのは、それに挑戦する勇気のある人だけ。

もし、仲間が失敗したとき、
大きなエラーをしたときだって、
一生懸命に頑張ったけれどうまくいかなかった仲間に対して、
そのことを非難するのではなくて、
まずは、挑戦した勇気を称えてあげてよう。

「PKを外すことができるのは、
PKを蹴る勇気を持った者だけだ」

その言葉を皆さんもぜひ噛み締めて、
前に進んでほしいと思うのです。

              ☆

平成27年度は、
安中一中が大きく変わる年となります。
いや、自分たちで変えていく、そんな気概がほしいです。

一中の伝統や文化を外へと発信して、
一中の素晴らしさを、
もっともっとたくさんの人たちに知ってもらい、
一中の新たな文化や伝統を創造してください。

              ☆

最後になりますが、春は別れの季節でもあります。
大好きな先生とお別れすることになるかもしれません。
しかし、また新しい出会いが待っています。

4月7日には、新1年生を迎え入れ、
皆さん一人一人の元気な笑顔が集い、
平成27年度の素晴らしい門出となることをお祈りして、
修了式の式辞といたします。

    平成27年3月26日
      安中市立第一中学校  校長 中津瀬 隆

              ☆

年生の皆さんから心温まるメッセージ
本当にありがとう。
これほど、心にしみたことは、私の人生の中でも、
本当にわずかです。
嬉しい言葉がたくさんありました。
人生の宝物にしようと思います。



8時50分から式が始まりました。
50分になる少々前に体育館の入り口付近に着きました。
体育館はしーんとしています。
あれ、時間を間違えてしまったのかな‥。
中に入ると、生徒たちが起立して始まりを待っています。
誰もおしゃべりをしないで、静かに待っています。
物音さえ聞こえてこないのです。
司会の教頭先生が生徒たちの態度を褒めてくれました。

式辞を述べながら、生徒たちからの視線を
たくさん感じることができました。
心地よい緊張感の中で以上のことを話し終えました。
これが全校で話す最後の機会でしたので、
司会の教頭先生の配慮で、生徒たちや先生方から
たくさんの拍手をいただきました。
いろんな感慨はもちろんありますが、
やはり一番の想いはこの第一中学校に勤務して、
たくさんの感動を生徒たちからもらったことです。
言い過ぎると、自慢めいてくるからよしたほうがいいですね。

式が終わって年度最後の職員会議、
会議修了後、先生方から退職に当たってのセレモニーを
開いてくださいました。
そちらもありがたくて、涙を禁じ得ませんでした。





2月の朝礼の話  (H27・2・27) new!







(善行賞の授与)


全校集会の話をする前に、善行賞(よい行いの賞)の
表彰式をまず執り行いたいと思います。

善行賞を差し上げるきっかけとなった出来事です。

1月31日(土)のことでした。
この日は、西高東低の冬型の気圧配置によって、
冷たい風が強く吹くとても寒い日でした。
吹奏楽部の練習を終えた生徒たちが、
そろそろ帰り支度をしているお昼頃、
時間は12時15分頃と報告をいただいています。

学校の北側に、
通学路にもなっている、九十九川の堤防が続いています。
風の強い日は、生徒たちも、自転車のバランスを取るのに
とても苦労していますね。
その時間帯に、堤防をオートバイで走っていたお年よりの男性が、
強い風に煽られて、堤防を外れてしまって
下の田んぼに転落をしてしまったのです。
湯沢橋から秋間方面に、50mくらい行ったところです。

たまたま、その瞬間を目撃した吹奏楽部の女生徒たちですが、
その後の行動が、本当に素晴らしいのです。

すぐに現場に駆けつける生徒、
職員室へ緊急事態を告げに行く生徒、二手に分かれて
さっそく救助活動を行ったというのです。
職員室では、小島先生と福田先生がおられて、
生徒の話を聞いたお二人の先生は、
すぐさま現場に駆けつけて、
お爺さんの状況を確認したそうです。

幸いなことに、出血もなく、骨折しているふうもなく、
しばらくすると起き上がることができたので、
通りかかった人に手助けしてもらって、
バイクをまた堤防に押し上げて
皆でていねいに見送ったとのことでした。

福田先生から、こんな立派な生徒たちがいて、
大活躍をしてくれました、とのお話をいただきました。
もし、転倒の現場を生徒たちが目撃しなければ、
お爺さんはしばらく起き上がれないまま、
一年で、一番冷え込む季節です。
意識を失ってしまって、
大変な事態が発生したかもしれないのです。
私は、これは、本当に尊い行為だと深く感心して、
さっそく善行賞をお渡しすることにいたしました。

該当の吹奏楽部の6人の生徒たち
名前をお呼びしますので、元気に返事をしてください。

小林さん、櫻井さん、猿橋さん、井出さん、
加部さん、桑原さん、
そしてもちろん、小島先生、福田先生、
ステージにお上がりください。








(全校集会の話)

さて、今年度最後の全校集会になりますが、
私がお話をしたいと思っていたまさに、
その通りのことが現実になったので、
まずは、表彰から始めさせていただきました。

今年度の始めに、私は

 Courage and Challenge  lead to Creation
  勇気と挑戦の精神で、 新たな第一中学校を創造しよう!


と皆さんにお話をいたしました。

私自身は、この言葉を心の中で、繰り返し、反芻して
自分の中に、新しいものを創造しようと、努力してきました。
もちろん、うまくいかなかったことも、たくさんありましたが、
そういう気持ちだけは忘れずに、今までやってきました。

皆さんも、この合言葉を心に抱いて、
この1年をかけて、新しい第一中学校を創造するために、
努力を重ねてきたと確信しています。
扇祭におけるテーマであった、
「創造」もまさにそのひとつです。

知ってのとおり、校舎建築においては、
すでに、1万3200人もの卒業生が
巣立っていった古い校舎は、
40年以上使ってきたためにかなり老朽化して
大きな地震には耐えられないことが分かり、
体育館から始まり、3年もの長い時間をかけて、
ほぼすべての大規模改造が無事終了しました。

綺麗な教室で学び、トイレも広くてとても快適です。
2年近く過ごした仮設校舎も、みるみる解体されて、
まもなく以前の広い校庭が戻って、
野球部たちの、元気な掛け声も響いてくることでしょう。

学校の形も整い、
新しい第一中学校が生まれつつあります。
皆さんの努力によってまさに、年度始めの合言葉が
達成されつつあるというのが、
私の思いであり、喜びでもあります。

でも、そのことに安心していしまい、
そのまま立ち止まっていては、進歩がない。
生徒たちが一生懸命に努力しているこの学校の、
これから目指していく次の目標、
次のステージは一体どのようなものでしょうか。

                                  ☆

私は、2学期の終業式において、
第一中学校の生徒たちへ、
もう一段高い志、高い精神を持って生活していこうと
呼びかけました。
次年度における、私の結論は、ここにあります。

この場に集まっている生徒や先生方は、
一中というひとつ屋根の下で、毎日生活しています。
いわば、安中一中という名前の、ファミリーの一員です。

時には喧嘩もしたりはするけれど、
普段はみんな仲良く協力して生活をしています。
お互い、高め合える雰囲気も出てきました。
遅刻する生徒が少なくなり、授業中も私語なく、
集中して努力するようになってきています。
部活動においても、強いチームができつつあります。

こういう状況を飛行機に例えてみると
テイクオフの態勢に入って、長い滑走路を助走し、
エンジンは最高出力に達していて、
安中一中エアプレインは、離陸を始め、
上昇気流に乗り、高く高く舞い上がろうとしている
そのようなイメージです。

そのようなファミリーが次に目指すことは、
安中第一中学校の生徒としての誇り、自覚、自負を持って、
生活していくことです。
自分が学んでいる学校へのリスペクト
安中一中へ敬意の気持ちを持つことです。
そうすることで、
一中生としての、自信や覚悟が生まれます。

先ほど善行賞を差し上げた生徒たちは、
意識はしていないだろうけれど、
第一中学校の模範として、一中生としての誇りを持って
勇気ある行動をしてくれました。
これを、一中の伝統や文化と呼んでも差し支えないなら、
このような素晴らしい伝統や文化を
校内だけに留まらせることなく、
学校の外にまで広げていってほしいのです。

例えば、
朝や帰りに出会う地域に人たちへ、大きな声で挨拶をする。
おはようございます、こんにちは。
一中生は、本当に気持ちがいい生徒たちだね。
子どもたちは地域の宝だね。
自転車での交通ルールやマナーを守ることで、
一中生たちは、譲り合いの気持ちを持っていて素晴らしいねと
地域から褒めていただけるようになります。

一昨年、甲子園で優勝した前橋育英高校野球部は
以前にも話したように、凡事徹底を大事にしていて、
甲子園で優勝したことが大きなニュースになったけれど、
大会中に旅館を出て、朝の散歩をしながら、
道路に落ちているゴミ拾いをしたニュースを聞いて、
これは本物だなと感じました。

勝敗ばかりに夢中になると、周りが見えなくなってしまう、
自分たちが滞在しているその場所のことまで
気を遣えることが、
心の余裕を生んだのだと私は感じます。

大学ラグビーで優勝した帝京大学のキャプテンは、
「小さなことを大事にしよう」がモットー。
脱いだスリッパを揃えられるか、
落ちている道路のゴミが拾えるか、
その積み重ねが、
グランドでの勝負の、ここぞの場面で生きる、
そう話しています。



第一中学校の生徒たちも、部活動で大会に出たら、
時間を見つけて、会場付近のゴミ拾いが出来ればいいなと
密かに期待しているところです。
そういう謙虚な姿勢がやがて本物になってくる。

受験の面接練習で、ある3年生が、
奈良京都の修学旅行のときに、
勇気を出して、バスで席を譲ったこと、そのことが、
自分の中では大きな自信になったと、
話してくれた生徒がいます。

先生に言われるのではなく、正しいと思ったことを
勇気を出して自分から行うことで、
ひとりひとりが学校のよさを
外へと発信をしていくことができるのです。

1月末に、安中市で「いじめ防止子ども会議」が開催され、
本校の井出さんと木内さんが参加して、
きびきびと会議を運営してくれました。
中学生って本当にすごいねと、
小学生が、感心していたと言う話を後で聞かせてもらって、
例えば、中学生が小学校へ行って、
あいさつ運動や、いじめ防止の劇をすることだって
生徒会を中心に実行できるのではと思っています。
小学校と中学校のまさに連携が始まります。

文化部の生徒たちは、例えば、
地域の人に、音楽を聞かせてあげたり、
絵や文章をもとに、紙芝居を披露したり、
すでに演劇部は、幼稚園で楽しい催しをしてくれたようだし、
老人ホームに入っている人たちに
喜んでいただいたこともありましたね。

考えてみると、中学生の持っているパワーは素晴らしい、
それを自分たちのためだけに、使うのではなくて、
外へと発信していくことで、
一中としての伝統や文化はより磨かれていきます。
と同時に、そのことが、私たちの一中ファミリーとしての
誇りや喜び、自負となっていくと私は考えています。

新たな第一中学校の創造から一歩前へと踏み出し、
一中の伝統・文化の地域社会への発信。
3年生が作ってくれた土台を
1.2年生がさらに発展させてくれることを祈っています。

                 ☆

話は以上ですが、
最後に3年生に対するメッセージを伝えさせてください。

すでに、私立単願、群馬高専、公立前期選抜に合格している
およそ140名近い生徒たち、合格おめでとう。
4月からの高校生活を心待ちにしていることだろう。



一方で、これから公立後期選抜試験を受ける生徒たちは、
まだまだ苦しい生活が続いているに違いないね。
早くこんな苦しみから脱出したい、早く楽になりたい、
早く受験から解放されて、好きなことを思いっきりしたい。

私も、もちろん高校入試を経験しているけれど、
昔は前期も後期もなくて、
公立受検は、3月に一発勝負だった。
大好きだったギターの弦を外して、
勉強を続けた記憶があります。
何で勉強しなければならないんだろうなんて、疑問さえ持った。
しかし、それを乗り越えることで、
苦しいことに耐えられる力が、付いたと思っています。
その力は、私の今までの人生において
本当に役に立ったと言えます。

だから今は、それを人生の大事な試練と受け留めよう。
その厳しい試練に対して、
自分なりの答えを出そうと努めることです。
他の人には荷えない、この自分でしかできない
たった1回きりの自分なりの回答を見つけてみよう。

その結果として、人間的な強さ、あるいは、優しさが
その人の中に静かに芽生えてくるはず。
心から健闘を祈ります。

合格した生徒たちは、
今も頑張っている生徒たちのために何ができるのか、
よく考えて行動するようにお願いします。
3年生にとって、学年の団結の、今回が
いよいよ総仕上げとなります。

卒業式まで、残り2週間と少し。
一日、一日を大事に過ごしてください。



インフルエンザで延期となっていた全校集会を本日実施しました。
これが今年度最後の全校集会となります。
私のあいさつの役目は残すところ、卒業式と修了式のみ。
今回は全学年が揃う大事な機会だったので、
次年度へと繋がっていくべき方向性について
僭越ながら話をさせてもらいました。
安中一中はいろんな面で大きな進化を遂げています。
学校秩序の面でも学習環境の面でも安定してきており、
集団としての力が十分に発揮できる状況にあります。
そしてその力は内向きではなくて外に向けて、
地域社会や、もう少し広い範囲にまで届けなくてはなりません。
そのことが安中一中生としてのプライドとなります。
この学校で学んでいる自信や喜びとなります。
そこに、私たちが目指していくべき姿があります。

私は本校の校長という立場をいただいて以来、
常に自負の気持ちを忘れたことはありませんでした。
内々には強烈なプライドを持ってやってきました。
しかし、私にとってあまりに重すぎる役職であり、
うまくいかなくて失望する日々が続きましたが、
no rain , no rainbow いつか必ずうまくいくから大丈夫。
そんな思いを持ち続けてようやく今日に至りました。
保護者の方々には、はらはらのさせどうしだったと思いますが、
残り1カ月、引き続き本校へのご支援をよろしくお願いいたします。





たくさんの表彰状を伝達しました。
壇上の生徒たちは本当に嬉しそうでした。
これがさらに次のステップへの励みになればと思います。
本校の3年担任中島一徳先生には、
安中市民マラソン5位と縄跳び三重跳び群馬県新記録の
素晴らしい表彰状の伝達ができてよかったです。
生徒たちにも励みになることでしょう。





   第一中学校学説明会  (H27・1・13) 






新1年生を対象に入学説明会を開催いたしました。
その時の、校長あいさつを掲載いたします。


                   ☆

皆さん、こんにちは。

本日は4つの小学校から、
合わせて、188名の6年生の皆さんに
お集まりをいただきました。
保護者の皆さま方、本日はありがとうございます。
そして、引率の校長先生を始め、
小学校の先生方、年度末の大変お忙しい中、
本校の入学説明会に、
ご参加いただきましたこと、心より感謝を申し上げます。



安中第一中学校は、昭和49年に
安中中学校、秋間中学校、碓東中学校、
そして、東横野中学校、4つの中学校が実質統合して、
今年で44年目を迎えている歴史ある中学校です。

40年以上も前に建てられた校舎なので古くなり、
大きな地震には耐えられないということで、
この3年間をかけて、
まず体育館、そして、ふたつの校舎の
耐震補強と大規模改造を行い、
今月末には、すべてが完成します。
仮設校舎で生活している全校590名の生徒たちが
間もなく、完成したばかりの新しい教室に移る予定です。

4月から新一年生となる、皆さんは、
誕生したばかりの、新生第一中学校
初年度の入学生ということになります。

この中には、もちろん、新島学園中や中央中等を
目指している人もいることと思います。
進む学校は違うかもしれませんが、
地域に住む仲間として、
第一中学校のことを知っていただく機会になれば、
とても嬉しいです。

それでは、4月から新1年生となる皆さんへ、
皆さんを迎え入れる中学校としての想いを、
お伝えしようと思います。

話の冒頭ですが、
小学校と中学校の決定的な違いは何でしょうか。

私は、小学校の教師を14年、
中学校でも同様、14年間、勤務させていただきました。
そんな経験から、申し上げますと、
一番の違いは毎日のスピード感、一日の密度の濃さ、
あれもこれも、やることがあまりにたくさん、
シンプルに言えば、中学校は、
非常に忙しいところだということです。

中学校では、
人生において、どの年代よりも、
ぎゅっと、密度の詰まった大事な時間が流れています。

身長がぐんぐん伸びて、
体形的にもほぼ大人に近づきます。
特に女子の皆さんのほとんどは、
およそ15歳、中学3年生でほぼ大人の背丈になります。
体の成長に伴って、心の面でも、
広い考え方ができるようになり、
正しいことと悪いことを見分ける判断力、
相手を思いやる心、異性に対する細やかな愛情、
そのような社会で生きていくための
大事な資質が身についていきます。

しかしながら、それを、小学校のわずか半分の3年間で
成し遂げなければならないので、
だから、中学校での毎日は本当に忙しいのです。

中学生に求められることは、
どれだけ限られた時間を有効に使えるか、
受け身とは違い、言われたことを実行するだけでなく、
いろんなことを瞬時に判断して、
自ら行動することにあります。

中学生になると、誰も正しい答えを教えてはくれません。
自分が見つけたやり方が、一番の正解なのです。
だから、今何が必要なのかを考え、
自ら、答えを探しにいく努力をしなければなりません。

中学校の授業について、
この後、詳しい説明がありますが、
中学校では、教科によって先生が替わり、
内容も難しくなります。
進み方もとても早いです。
先生から教わることだけではなく、家に帰れば
宿題や復習の他に、
自主勉強の課題をしなければなりません。

1年生になったばかりの生徒たちは、あまりに疲れてしまって、
家に帰って、夕ご飯を食べながら、
お箸を持ちながら、こっくりこっくりと、、
そのまま寝入ってしまうという話もよく耳にします。
それくらい疲れる。
でも、そんなことは中学生にとっては当たり前のことです。

私の、生徒たちへの要求はもっと厳しいです。
私は、一中生たちに、普段の勉強だけではなく、
たくさんの本を読むなどして、世の中への興味や関心を、
広げるように話します。

そして、中学校の3年間をかけて、
自分の得意とすることは何か、
自分がもっとしたい勉強や目指す分野は何か、
将来への夢を描き、どんな大人になりたいのか。
それを、発見してほしいからです。

今の一中の3年生たちは、
私が、自慢したくなるくらいに、夢の実現に向かって
頑張っている生徒たちがたくさん育っています。

第一中学校では、勉強だけではなく、
文武両道と言って、
体をしっかりと鍛えることも、
勉強と同じくらいに大事にしています。
部活動見学に来てくれた人たちもたくさんいることでしょう。
すでに入部を決めている人がいるかもしれませんね。

運動部に入部した生徒は、時には息が切れ、
涙が出そうになるくらい、苦しい体験をします。
でも、本当に上手くなりたい生徒は、
自ら練習計画を作り、苦しいことがあってもそれに耐え、
目標に向かって努力できるようになります。
そういう生徒が、ぐんぐんと力を伸ばしていくのです。

本校の部活動のエースたちは、
とてもかっこよくてスマートです。
試合でも大活躍で、見ていてほれぼれします。
普段の生活ではにこにこ、和やかですが、
フィールドに出ると熱い気持ちが全面に出ます。

実は、そうしう生徒たちは疲れて家に帰っても、
こっそりと人に知られず、
自主練習をしているような真剣さを持っています。
「努力は裏切らない」、
そんな言葉を私に話してくれます。

私がこんな話をすると、
皆さんは、中学校というところは、とても大変で、
中学生になる期待よりも、
不安の方が大きくなってしまうかもしれません。

でも大丈夫です。
中学校って、ものすごく面白くて楽しいところで、
たくさんの感動があります。
一番の感動は、やはり、仲間たちと力を合わせて
何かを成し遂げる楽しみです。
小学生の皆さんには、
中学生が歌う合唱コンクールの歌声を
本当に聞かせてあげたいくらいです。
それはすごいです。感動です。

皆さんから向かって、
左に、大きな懸垂幕がかかっていますね。
前列の人には見づらいかもしれませんが、
そこには、
『限界突破 未知なる道を切りひらけ そこにあるのは自信と証』
というスローガンが掲げられています。

本校では毎年秋に、扇祭という文化祭が、開催されています。
今年のスローガンを、
美術部の生徒たちが見事に仕上げてくれました。
そのもとになっているのが、
本校がとても大事にしている 三つのC 3C精神なのです。
英語の頭文字がCで始まる言葉です、

    Courage 勇気
   Callenge 挑戦
   Creation 創造




そして、ステージ後ろにあるモザイク壁画を見てください。
200枚もの紙に生徒がモザイクの点を打ち
張り合わせてできたものです。
今年のテーマは 「創造」
みんなで力を合わせて、新しい学校を築いていこう。
そんな想いが込められています。

一中生は、心に決めたことに、
勇気を出して、挑戦していく姿勢を持とうとしています。
そして、新しい自分、成長した自分を
毎日、創造していくために努力を重ねています。

今は、一年で、一番寒い時期を迎えていますが、
一中では、朝早くから、
校舎からは「吹奏楽部」が
練習する楽器の音が響いてきます。

校庭では、テニス部、サッカー部、野球部、ソフトボール部が
白い息をはきはき、一生懸命に練習を続けています。

体育館では、バスケットボール、バレーボール部
卓球部、剣道部、新体操部の元気な声や
ボールの弾む音がこだましています。
西毛グランドでは陸上部が走っています。

安中第一中学校は、
頑張る生徒一人一人が主役の学校です。
かけがえのない一日一日を大事に過ごし、
今年のスローガンにあるように、
未知なる道を切り開いていく気概を持った生徒たちが
間違いなく、育っている学校です。

6年生の皆さんは、
入学を心待ちにしていてください。
きっと素晴らしい中学校生活が4月から始まると
私は確信しています。

             ☆

保護者の皆様方には、中学校に入るという不安、
あるいは、一中の評判を聞いての、若干の心もとなさ、
いろいろとご心配もあろうかと思いますが、
校舎も一新されて、
今、第一中学校は間違いなく上昇気流に乗って、
生徒たちは、勉強や運動面でも
素晴らしい力を発揮してくれています。

どうぞ、安心してお子様を、本校に入学させていただき、
ここに集う子どもたちが、
中学校3年間において、みるみると成長していく姿を
時にははらならしながら、時には頼もしく思いつつ、
学校と保護者が手を取り合って、
一中の教育を、いっそう盛り上げていってくださるよう、
心よりお願い申し上げ、
校長あいさつといたします。

            ☆  ☆  ☆


(保護者向けごあいさつ)

私は第一中の校区に住んでいて、
子ども3人も、本校の卒業生です。
末っ子の息子は、野球部でお世話になって、
身体や心を鍛えてもらって、
親子で楽しませてもらいました。

息子が言うには、中学校時代が
一番面白かったと話しています。
いろんな学校からのたくさんの友人ができ、
活動の幅が広がるこの時期こそ、
有意義な学校生活を過ごしてほしいというのが、
私の一番の願いです。

中学校生活の三年間は、
身体も心も急激に大きくなる時期。
そして、人生の土台を形成する大事な時期です。
保護者の皆さんは、いかがだったでしょうか?

楽しい思い出や、
素晴らしい思い出がいっぱいあったと思いますが、
しかし、楽しい時間よりも、辛かったり、
悩み苦しんだりしたことのほうが
ともすれば、多かった3年間ではなかったか、
そんなふうにも私は感じています。

思春期を迎える生徒は、成長が非常にアンバランス。
心と身体の成長が、一致しなくて、みんな、ちぐはぐ。
そんな発展途上の生徒たちが、
大勢集まって集団を作ることになります。
多種多様な、とんがった個性の集まり。
だから、生徒同士のトラブルは当たり前、
集団としてうまくいかない場面も出てくるのです。

私も、30年近く前、二中で担任をしていた頃、
荒れた中学校を経験しています。
しかし時が流れて、
当時の生徒たちは、立派な成人になり、
結婚して子どもをもうけて、
本校に子どもを通わせている保護者もおられます。
みんな本当に立派になっています。

そんな経験から、最近、私が思うことは、
中学校時代の生徒に必要なことは、
清濁合わせ飲む、 
澄んだ水も、濁った水も、同じように口にして、
それが美味しいか、苦いかを、自分で感じ取って、
では、どうすればいいかを、体で学んでいくこと。
そして、いろんな個性の仲間と過ごしつつ、
時には、自分から相手を許す、相手に道を譲る。
そういうことが、これからの人生を生きていくための
まさに、力になっていくのではないか、
私はそんなふうに感じています。

私はだから、
中学という結構しんどい時代を、汗を流しながら、
時には涙を流しながら、
一生懸命に生きている生徒が大好きです。
そして、第一中学校は、生徒が育つのに、
いろんな意味で、最適の場所だと私は信じています。

一中では、素晴らしい生徒が育っています。
一昨年は、前橋育英高校野球部が全国制覇、
群馬県が大いに沸いた記憶が未だ鮮明ですが、
一中生に、ベンチ入りした卒業生がいて、夏休み、
優勝メダルを持って、表敬訪問をしてくれました。

それは謙虚で、立派な生徒でした。
自分の自慢をしないで、監督さん始め、
周りの人たちへの感謝を忘れなかった。
他にも、たくさんの生徒たちが多方面で
活躍しているのを耳にすることがあります。

保護者の方には、
ぜひ、安心して、本校に入学させてください。
いろんなご心配はあるかもしれないけれど、
学校と保護者の信頼関係の中で
3年を終える頃には、
立派な生徒として送り出す覚悟を持っています。

              ☆

私からは、ひとつだけ、
中学校入学に当たって、
保護者の方に申し上げたいことがあります。

それは、中学校の3年間をかけて、
お子さんの本当のよさを、見つけてあげてほしいことです。
できれば、一緒になって、探してあげてください。
そして、その力を、
伸ばしていくために努力を惜しまないことです。

どの学校にも、運動や勉強が得意な子がいる。
一方で、それが苦手な子は、
単に、成長が遅いだけのことだけなのに、
勉強の成績は、順位として数値化される。
皆さん、どうでしょうか?
中学時代の優劣など、大したことがないのは、ご存じの通り。
気持ちが優しくて、笑顔が素晴らしい生徒は、
将来、誰からも可愛がられる人に成長します。

他と比較して云々するのではなく、
お子さんの only one それを、
見つけてあげて、褒めて励まして、磨いていけば、
やがて、珠のような素晴らしい大人に成長していきます。
親に信頼されてすくすく育っている生徒は、
仲間に対しても思いやりのある生徒になり、
そのようなお子さんは、
リーダーとして活躍できる生徒になるのです。

お子さんの「今」ばかりを見過ぎて、
少々のことで過敏に反応することなく、
中学校3年間を終えた頃の、
たくましく成長したお子さんを想像しながら、
今日はよく頑張ったな、明日も頑張れ、応援してるぞ、
そんな声をお子さんに、かけ続けてほしい。
保護者の、背中をしっかりと見せてほしい、
私がお願いすることは、そのことなのです。



昨年度は各小学校をまわって説明会を持たせていただきました。
今年度からは、校舎も新しくなり、新生一中を見ていただこうと、
従来のやり方に戻すことにいたしました。
今回は、生徒会の役員たちがアイデアを出し合い、
ビデオ撮影をして学校の様子を伝えたいと、
遅くまで学校に残って頑張っていました。
体育館入り口での、笑顔のお出迎えは彼らの自主的な行動。
吹奏楽部の生徒たちは歓迎の演奏を披露してくれました。
参加いただいた小学生や保護者に方々には、
一中の生徒たちの前向きな姿勢が伝わればいいなと思いました。
本校は間違いなく「上昇気流」に乗って、伸びつつある学校です。
新たな生徒たちを仲間に迎えて、新生一中がスタートできることを
今から心待ちにしています。

                                当日の写真





   3学期始業式の話  (H27・1・7)






 (元気よく校歌斉唱)






                ☆

みなさん、おはようございます。
新しい年を、迎えることができました。

昨年一年を振り返ると、
いろんな出来事があったことが思い出されます。
私にとっては、
嬉しい出来事がそれはたくさんありましたが、
(例えば、中体連の大会における
一中生たちの活躍には心が躍りました)

一方で、私を励ましてくれた大切な人が亡くなり、
もう二度とお会いできない悲しみも経験しています。
だから、この場で、
「おめでとう」の言葉は控えつつも、
皆さんとともに、元気に新春を迎えることができて、
私としては、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。

今年は暦が変わって、平成27年、
西暦でいうと、2015年を迎えました。
平成という年号ですが、
これは日本独自の暦の数え方であり、
正確には「元号」という言い方をして、
歴史が得意な生徒はよく知っていると思いますが、
日本最初の元号は、
皆さんも社会で学習した「大化の改新」があった
645年から始まったとされていますね。

私は、平成の前の昭和の生まれですが、
時代が移り、先生方の中には、
平成生まれの方がおられます。
一年一年、確実に時間が経過していくことを、
肌で実感しています。

そんな自分自身の感想は、今この瞬間、瞬間を慈しみ、
こうして生きていることに、
深く感謝することだと思います。

お正月には私は、これまでの歳月を思い返しつつ、
お世話になった人たちと、年1回の年賀状を交換し、
その方々の幸せを願い、
一方で、亡くなってしまった人を
心から悼もうと思いました。
そうすることによって、新しい年を迎えたことへの、
感謝の気持ちがいっそうわいてきます。



                ☆

さて、これから、新たなる平成27年が始まります。
皆さんにとって、どんな1年になるのか、
想像してほしいと思います。
そして、もう少しポジティブに考えてみて、
今年をどんな1年にしていきたいのか、
1年を終える頃には、こんな自分になっている、
そのようなイメージをしっかりと自分の中に描いてほしい、
それが、私の皆さんへの年頭の言葉です。

スポーツ選手に偏ってしまうのはよくないのですが、
少年時代に、自分はこんな選手に将来なる、
そんな言葉を残して、
その通りの活躍をしている人たちがたくさんいます。

スポーツの世界に限らず、
将来、人の役に立つ仕事をしたいと思い、
それを実現して、
世の中の人のために大いに活躍をしている人も
数え切れず、たくさんいるはずです。

夢を実現しつつある人の心の中を想像すると、
目標に向かって夢中になって頑張っていたら、
夢が本物になって目の前に現れて、
今まで、頑張ってこられて本当に幸せだった、
おそらく、そんな達成感・幸福感に溢れていると思うのです。

3年生たちと面接練習をしていて、
将来の夢を語ってもらっています。
本当に実現したらどれだけいいのだろうか、
そんな気持ちになって、
激励の言葉をかけたくなります。

夢や目標を持っている人は
見ていて気持ちがいいものです。
生き生きと生活をしています。
目がきらきらと輝いています。
そして、夢の実現に向けてひとつひとつ、
努力を続けながら、ステップアップしています。

新年早々、各部活を巡って
活動の様子を見せてもらいましたが、
こんなに寒い時期なのに、白い息をはきはき、
トレーニングを積んでいるのです。
日々の小さな積み重ねが、
必ず結果として出るにちがいない。
頑張っている生徒たちには、
心から拍手を送りたい気持ちです。
きっと素晴らしい結果を出してくれると信じています。

「一年の計は元旦にあり」 です。

安中一中の生徒たちは、前を向いて
目標をしっかりと定めて、
大きな志を持って、新しい年の新鮮な空気を、
胸いっぱい吸ってほしいと思います。

平成26年度も、残すところ3ヶ月。
3年生にとっては、中学校生活の最終コーナーを
全力疾走で走り切ろうとしているところです。
3月13日の卒業式まで、
学校に登校する日は、45日。

1月は「行く」 2月は「逃げる」 3月は「去る」
3学期があっという間に過ぎていくことを
表現する有名な言葉です。

そんな3学期をどのように過ごしていけばいいのか、
ここで改めて、第一中学校の教育の原点である
「学校教育目標」について、お話ししたいと思います。

                ☆

本校の最終的な目標は、
「豊かな心をもち、主体的に行動できる生徒の育成」

豊かな心については、わかりますね。
主体的とは、
自分から進んでよい行いができる生徒のことです。

そして、具体的には、3つの生徒像があります。

進んで学習する生徒、豊かな心をもつ生徒、心身を鍛える生徒

つまり、授業をしっかり受けて勉強に励み、
人権月間でも学んだように、
仲間を大事にして思いやりのある心を育み、
そして、体を大いに鍛えて健康な生徒として成長していくこと、
これができれば、これからの長い人生は
とても豊かなものになっていくはずです。

そして、この目標を実現するために、
本校の「3C精神」があります。

勇気、挑戦、そして、創造、
扇祭の頑張りは、まさに、学校の目標に近づくための
素晴らしい取組となったに違いありません。

一中で生活している私たち職員や生徒は、
学校の教育目標や 3Cを始めとする「一中の精神」によって、
守られているようなものです。

3学期は、先生方も一致団結して、
改めて学校教育目標を意識して、
教育活動を行う予定です。
本校の中で、心が豊かで、自分から進んで
立派な行動できる生徒たちが育ち、
3年間の勉学を終えて、立派に卒業していけるように
生徒たちとともに、歩んで行きたいと願っています。

                ☆

最後に3年生へのエールです。
間もなく私立高校の推薦入試が始まります。
受験シーズン真っ只中になると、焦りばかりが出て
いても立ってもいられなくなったり、
自分自身を見失ってしまったりすることがあるかもしれない。
それは、むしろ、当たり前のことです。
そうならないほうがおかしい。

それは自分自身に与えられた人生の試練だと思い、
そこから逃げ出そうとは思わないで、
勇気を出して、チャレンジの精神で
自分から向かっていくくらいの、
気概を持てばいい。
一人で背負うのが大変なら、
仲間たちと励まし合えばいい。

絶対に、そこから、逃げたらあかん。
逃げたらあかん!

それを乗り越えることで、
自分はもう一段、高い頂にたどり着いて、
よく頑張りましたという、勲章が胸に付いて、
よくやったなあっていつまでも、ぽんぽんと、
肩を叩いてくれる。

no rain , no rainbow
雨が降るからこそ、美しい虹が見られるんだ。

あと45日。

学校全体で3年生を支えていきながら、
1,2年生たちは、
3年生の頑張りをしっかりと見届けつつ、
健康そして安全にくれぐれも留意して、
悔いのない3学期にしていきましょう。



穏やかな新春を迎えることができました。
年末年始は結構な数の年賀状書きで終わってしまうのが常で、
来年からは閑職としての気軽さで済ませられそうです。
昨年は先輩の先生で若い時代に私のことを
たいそう褒めてくださった先生が泉下の人となられ、
昨年いただいた最後となる年賀状をながめつつ、
年の移り変わりを実感するのがお正月、
年齢を重ねて、なんだかそんな心境となりました。

さて、学校では新しい年を迎えて
生徒たちも気持ちも新たに生活を始めています。
3学期始めの始業式では、無駄な私語もなく、
開始5分前には全学年、整然と整列もできました。
今年の本校生徒たちの自覚や覚悟が
集合の様子からも、うかがい知れた気がしています。

3学期は、全職員、本校の教育目標を再確認して
生徒への指導に全力を挙げようと話し合いました。
そのことについては、一中通信にて
学校経営評価結果として間もなくお届けする予定です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。